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お弁当

日本のお弁当文化というものは多岐に渡ります。
なかでも、手作り弁当には「キャラ弁」というものが存在します。
蓋を開けた時に目に飛び込んでくる愛情いっぱいの情報たち、
焼いた玉子をキャンパスに 切った海苔で絵を描いたり、
野菜の緑黄色で鮮やかさを出したり、
白米のカタチを整えて動物なんか作っちゃったりして。
キャラ弁の写真を見るだけで子供達の笑顔も勝手に想像できてしまいます。
とても心温まりますね。

ところで、私は「キャラ弁」を否定します。

そのものをこの世から根絶したいなどとは思いませんが、
私がそれを作ることは今後共一切ないでしょう。
食も料理も好きな私からすれば作ったお弁当を見て一発目の感想で
「かわいい!」「かっこいい!」よりも
「美味しそう!」と思ってもらいたいものです。
お弁当屋さんで買う幕の内弁当にこれでもかと詰め込まれた多種類のおかずたち、
彼らを前にした時の感動を食べ手に味わって頂きたいのです。

嗚呼懐かしき、肉のかわはらにBig up.

ということで今回は
「アンチキャラ弁 弁当」を作っていきます。

まずは白米を敷き詰めます。
私がよくやるドンブリライクです。
油分とかタレとか旨みとかを米が受け止めてくれます。

これぞ幕の内、要は何でも詰め。
「私、綺麗でしょ?」なんて自ら言わない、
そんな日本らしい「さりげない」美しさをもっております。
しかし、
今回はキャラ弁に対抗する弁当作りたいのです。
これでは形を変えただけであり
エゴチックなルッキズムを押し付けているだけでキャラ弁を否定しきれてはいません。
美味しそうと言わせたいだけの弁当であり
それこそ初見でのインパクト重視である点に関してはキャラ弁と全く同じであります。
そこで

これぞ「アンチキャラ弁 弁当」、アンチルッキズム、いやこれこそがルッキズム。
キャラ弁を否定したいが為に味と同じくらい見た目を重視して
食文化を築き上げてきた全ての料理人すらも否定してしまった弁当。
ここまでくると自分でも何がしたいかよく分かりません。
この弁当を渡した妻からは「人の親になる自覚が足りない」と言われる始末です。

お父さんお母さん、こんな捻くれ息子も秋には父になりますよ。

生まれてくる我が子には是非「アンチ捻くれ親父」として育って欲しいものですな。

知らんけど。

(D.O)

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